姿勢は、日常の必要に合わせて変わっていきます。いつの間にか慣れていくので、自分では悪くなっていくのに気付けないと考えましょう。
客観的に写真で、チェックすることをお勧めします。上の写真のように、横と後からの姿勢をチェックしましょう。
踝からの線上より、頭が前にある時や腰が前にある時、頭の重さや上体の重さを支える力が部分的にかかるようになります。そのために、力のかかる周辺の筋肉は疲労しますし、骨では軟骨部分や神経が圧迫されます。
症状として感じていなくても、負荷はかかっているので時間経過で問題が出ることが考えられます。
下半身が歪むとは、骨盤を正常な位置で保てない状態です。前に傾いた前傾(反り腰)・後ろに傾いた後傾・側弯症などの左右に傾いた状態は、全て土台が傾いた状態で上半身を正常に保てない条件にあると言えます。
姿勢悪化の初期段階で肩凝り等を感じている時は、姿勢の問題を感じる筋力があって体がSOSを発している状態です。脊柱周辺の筋肉が、痩せてしまうと悪くなっていくのを感じ取れなくなります。客観的に見て姿勢が悪くても、凝りや痛みを感じない時は脊柱周辺の筋力低下が考えられます。
客観的に写真で分かる姿勢の問題と、本人が感じていることが一致している時は筋肉低下がそれほど進行していないと考えられます。反対に、写真で見てとれる問題と、本人の感じていることがズレている時は体幹、体軸の筋力低下が進行していると考えられます。
例1:頭が前に出ているのに肩凝りを感じていない。
例2:腰が前に出ているのに、腰の不調を感じていない
正しい姿勢になる理想の歩行姿勢ができる筋肉を付けたいと考えてできたのが、あるくんメソッドです。
本来の正しい姿勢の筋肉の使い方は、姿勢が悪くなった人にはどう体を使えば正しいのか分からなくなっています。それも、人それぞれ問題の場所も違います。
本人が感じ取れないという点に関してはとても難しく感じますが、正しく導くことで通常の筋肉が出来るのと変わらないペースで姿勢改善は可能です。しかも、可動域が大きくなり理想に近付くたびに筋肉の好転が加速します。
あるくんメソッドは、姿勢改善であり、歩行改善であり、若返りメソッドと言えます。
姿勢改善のため部分別にトレーニングを考えるとどちらも可能な方法です。しかし、正しい姿勢と歩き方に導くために、あるくんメソッドでは迷わずAの下半身から改善することを選んでいます。その理由は、次の通りです。
下半身から改善して姿勢を起こしていったときに、途中経過で上半身がそのまま覆いかぶさってかえって姿勢が悪く見えます。更に、下半身と上半身をつなげる腰の筋肉の改善がないと、上半身は押し出され今まで以上に姿勢が悪化したように見えることでしょう。歩く時にも、腰に負担がかかります。
しかし、脚が真っ直ぐ伸びたことで上半身を起こすための腹筋背筋を使うトレーニングが可能になります。腰が安定すると、更に上体を起こす筋力トレーニングが可能になってきます。
上半身から改善して姿勢を作ろうとした場合は、立位では一見姿勢が良くなったように思います。しかし、下半身が上半身を支える力が付いたわけではないので、歩くと上半身は前傾したままで腰と膝を曲げた状態になります。
更に、上半身を伸ばしたことで頭は支点の腰より離れるので、腰への負荷はもともとより大きくなります。(テコの原理)
腰への負荷が上がったことと、膝への負荷は残ったままです。その上、股関節の角度や膝と足首の角度の改善がないために刺激できる筋肉の場所や可動域が少ないままで腹筋や背筋の強化につながらず、姿勢作りの次への展開が極めて難しいと言えます。