筋力が弱い方、筋力が低下している方は代償から体を歪めてしまいやすい状態であることをご理解ください。
あなたはどちらを選びますか?
体を歪ませない代償動作をなくすリハビリ、トレーニングの選択肢があることを知っていますか?
本人が取っつきやすいから?介助者がサポートしやすいから?早く結果が欲しいから?選択する方法の過程やゴールを知って選べていますか?
身体を歪ませるよくある間違い
マッサージの間違い
マッサージする場所の間違い
痛みやしびれを感じる凸の方は、筋肉が伸びています。繰り返しマッサージしてほぐすことやトントン叩くことも、一時的に血流が良くなり楽になったように感じますが、体を歪ませやすく筋肉を伸ばしいる可能性があることを知ってください。
マッサージだけで終わらせない
筋肉がある人とない人では、マッサージの意味が違います。ただ緩めるだけでは、意味がないどころか歪みやすく助けている事にもなりかねません。マッサージで血流が良くなった、姿勢を整えてもらったと一時的に楽になっても、その状態で保つだけの筋肉がないとまたすぐに戻ってしまいます。
柔軟に動ける筋肉を作るには、体重に見合った身体を支える筋肉を付ける必要があります。マッサージは筋肉を付ける前の準備段階やトレーニングを進める中でのケアにすぎません。筋トレまでをセットで考えることをおすすめします。
運動の間違い
運動の選択ミス
筋力が低下している時は、健康のために良かれと思ってしている運動で代償を強めてしまうことがあります。 有酸素運動でカロリー消費を考える場合にも、それとは別に身体を支えるための筋トレは必要です。
本来(正常)の軸と代償の軸 の違い
代償が作るベクトル(大きさと向きを持った力)
例え軽度でも代償による身体の歪みがある時は、姿勢を維持するために様々なベクトルが生まれます。動作を起こす時に、これらのベクトルと動作の向きとの調整が必要になります。
ベクトルの力や角度が大きくなると調整が難しくなり、動きが遅くなること・疲れやすくなること・転倒しやすくなることが考えられます。
本来(正常)の軸と代償の軸のイメージ
本来の軸(正常)では
体の中心軸と姿勢を保つための軸が同じで、一つの方向性の意識で済みます。
代償の軸では
姿勢保つためにできる軸は一見正常の状態と同じに感じますがこの姿勢を維持する軸を意識するために、様々な向きのベクトルの調整が必要になります。
代償の軸のデメリット
1.複数のベクトルを持つ代償の軸では、前に動くだけでも複雑なバランス調整が必要になります。
2.歪んだ体の軸では、筋力アップしたくても体操が成立しにくくなります。
3.歪んだ体の軸に対して肋骨や骨盤があるので、進行すると骨が当たるなどして日常生活が難しくなります。
筋力低下の時は、体全体の筋力アップのためには体幹を鍛える必要があります。
しかし代償動作の進んだ体では、体幹を鍛えるための骨盤や背骨を中心に対称に繰り返す運動が成立しなくなってしまいます。
運動が成立しなくなることで、筋肉を維持することや改善することが難しくなり、筋力の低下を止められず日常生活にも支障が起こります。
以上が、重度側弯症の娘の体を理解するために代償動作(体の歪み)について考えたことです。
障害やケガなどで代償して使うことがやむを得ないことがありますが、健康のためにはどんな条件があっても代償を極力なくす努力をすることが必要だと考えられます。